20100413

カポーティー

先週、録画してあった『カポーティー』をみる。

1959年に実際に発生した殺人事件を作者が徹底的に取材し、加害者を含む事件の関係者にインタビューすることによって、事件の発生から加害者逮捕、加害者の死刑執行に至る過程を再現した。犯罪ノンフィクション『冷血』(In Cold Blood)が出来るまでを映画化したもの。

この作品の取材中に、加害者との交流を深め、「加害者を少しでも長く生きさせたい」という気持ちと「作品を発表するために、早く死刑が執行されて欲しい」という2つの感情の葛藤にさいなまれたカポーティーの様子を巧みに描いている。


映画の最後の方で「助けようと思ったけれど助けられなかった」と嘆くカポーティーに、おさななじみのハーパー・リー(アラバマ物語の作者)が「助けたいと思っていなかったのよ」とドライに言うシーンが胸を刺す。


それは、心の闇に光を投じる言葉のようでもあると思い噛み締める。


"tears are shed over answered prayers than unanswered ones." Truman Garcia Capote

(答えられなかった祈りより、答えられた祈りに私は感動する)