20090524
結(ゆい)
今、新しいプロジェクトに向けて一歩ずつ前進中。
今回の展覧会は、不思議な4人展。同じテーマを持ち寄ってとか、何かを掲げて集まった訳でもなく、こんなことをしたいという思いが重なった2人がもちゃもちゃと事を始めて動き出している内に仲間が増えて面白そうだとわくわくしているうちにどんどん進んで行った。そして気がついたら、北大(北海道大学)でのレクチャーもすることになった。
札幌に帰って来て7年目に入る。スローペースで地元のアーティストとの関わりが出来て信頼関係を築き上げることの中でこのプロジェクトは生まれて来た。
今朝、自分の作品とこの関わりを考えている時に。「結」(ゆい)という言葉を思い出す。
この言葉は大学で民俗学で、富山県の五箇山から岐阜県の白川郷の合掌集落での生活を学んだ時に覚えた言葉。これは、労働力を対等に交換しあう相互扶助組織のことをいう。
わたしは、1991年にクリストのアンブレラ計画に参加した時に、彼の作品の中に現代では失われている「結」を傘を立てるという行為を通して再現しているように思えた。
そして、今共に一つのプロジェクトを作り出そうとするこの関りの中で、互いの制作に刺激を与えあう関係もまた「結」の一つの形であるのではないか...。
そう考えていると、今の自分の作品の始まりは、クリストのアンブレラ計画に参加したあのときから始まっているのかもしれない。
と、思いをはせてみたりする。
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